『川の家』​​​​​​​
東京都あきる野市内にある日本画家のアトリエだった平屋住宅を4人家族の住宅へ改修した。敷地は山に挟まれた谷間に位置し、住宅のすぐ側には川が流れているため湿度が常に高い。また、それぞれの窓からは植物の色を含んだ光が反射し、部屋の中に作用する。自然のタフさと優しさをどちらも突きつけられたような敷地である。
既存のプラニングから廊下と呼べる空間は浴室へ向かう短い部分のみで、それ以外は部屋同士が隣り合っている状態だった。書斎から西を向くとサンルームとその先のダイニングに置かれたテーブルが、子ども部屋からドアを開け、東を向くとダイニングから少し暗がりになっている洗面台越しにたっぷりと自然光を受け止めたリビングが、見える。主たる仕上げは同じであるが、その空間の広さや用途、接続する外部環境によって顔色の違う部屋たちが重なり合い、1つのシークエンスとして統合できるよう設計した。
設計 : 大島淳一郎、國重裕太
施工 : アンドエス
照明 : フィラメンツ吉岡さん
家具 : 森工芸社、ミネルバ
写真 : 岡田和幸