「百年先も続く農業を」を掲げ、京都の有機野菜を扱う「坂ノ途中」と、書籍出版から書店事業までを行う「鷗来堂」が複合業態として出店する「本と野菜OyOy」。
レストラン・カフェ・食物販・本屋それぞれから生まれる気配やふるまいがポジティブに作用する距離感を探した。季節を感じる料理やおすすめの調味料を楽しむ人。コーヒーをテイクアウトする人。気になる本を手に取る人。ソファでくつろぐ人。それぞれが別々の目的でありながら1つの店に集まる、それはまるで都市で感じる多幸感のような…お互いが間接的に作用する状態を作ることこそが複合店舗のあるべき姿だと考えた。どんなモノも必ず、その先に広がる世界と接続されていることを教えてくれる。
 壁いっぱいの本棚や階段を登って目線が上がる床、中央に位置するカフェカウンターは1つの空間を緩く分節しながらお互いの距離感を設定する要素となっている。

名称:本と野菜OyOy
所在地:京都府京都市
主要用途:本屋・レストラン・カフェ
設計:國重裕太
什器制作:國重裕太・森工芸社・山口製作所
施工:アンドエス
延床面積:82.96㎡
設計期間:2019年5月
工事期間:2020年3月
ウェブサイト:https://oyoy.kyoto/