大阪市中崎町にあるsiroiro galleryの2.3階改修。既に1階は貸しギャラリーとして機能しており、2階はセミパブリックなキッチン付きギャラリースペース、3階はオーナーの居住スペースという計画。施主の記憶が染み込んだ空間をワークショップ形式で解体し、どこを残すかどこを壊すか、またどこ変えるか変えないか議論しながら場当たり的に進行した。施主が過去にDIYで塗装した真っ白な壁の横に現れる真っ赤な軽量鉄骨、ALCに張り付いたままの胴縁、塗られることのないシナベニヤ。工事を中断したかのような仕上げの数々は、そこでじっとしながらこれまでの履歴であることを証明し続けている。
 中心に位置する階段はできるだけ視界を遮らないようすらっと。床までおろすと空間の回遊性が損なわれるため吊り式とし途中まで踏み台で登る仕様とした。イベント時に踏み台は平台として機能する。その奥にはキッチン・バー・受付となんでもこなすモルタルカウンターがどっしと構えている。

名称:siroiro gallery -nif-
所在地:大阪府大阪市
主要用途:ギャラリー・住居
設計:國重裕太
施工:noma architecture
構造:鉄骨造
階数:地上3階建​​​​​​​
撮影:岡田和幸
ウェブサイト:https://nif.mystrikingly.com/